おかしな本棚
本棚の本。
本棚は冷蔵庫と同じで、その主を端的に語る。

さすが装幀を仕事にするクラフト・エヴィング商會。
古書店であれ、誰かの家であれ、こんな本棚があったら
じっと見つめてしまうと思う。
愛すべき本棚に、手にとってみたい魅惑的な背表紙。

もし、この本の中で紹介されている本を実際に
読んでみたいと思うのなら、なんといったって、
クラフト・エヴィング商會のことだからと肝に銘じ
用心深く選ばなければならない。
読もうと思ったって、架空の本も紹介されているのだから。

騙されるとわかっていてちょっと騙されるのもいいと思う。
それが自分にとって魅惑的なものであるのなら。

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紙の本は、声をのせて給する皿だという。
世が電子書籍の時代になって、
本という名の皿がことごとく割れてしまっても
読者のなかに声は残るという。
だいじなのは声であって、皿ではない、けれど。

が、主役に輪郭を与える皿の妙が、皿の模様や皿の材質や
皿の薄さ厚さ重さ軽さが……床に落とせば割れてしまう
はかなさも含めて……思いがけない「おまけ」を生んできた。


おまけの楽しみが失われるかもしれないということ。
本好きが共有する心配ごとかもしれない。

『おかしな本棚』クラフト・エヴィング商會 / 朝日新聞出版










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by favoriteworks | 2011-08-02 20:24 | 観る、読む
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