「盗まれたレンブラント作品を教会で発見
犯人は盗難が大きなニュースとなったため、
売却するのも難しいことに気付いたのではないか」
米ロサンゼルス CNN (2011.8.17 10:42)
のニュースに、べつの想像をしてしまった。
それは、盗み出したレンブラントの絵画を、
癌に侵された妻のベッドの上に掛けた男、
リチャード・ナーワルの話。
彼は妻と一緒に過ごした人生のひとこまひとこまを綴った手紙を
毎日のように妻に宛て、郵便局へ出しに行った。
毎朝手紙が届くと、ふたりはレンブラントの下に横になって、
声をそろえて読んだのだった。
すると一通ごとに、日ごとに妻はよくなっていき、一年後に
元気を取り戻したという。
そして366日後、ブライダルヴェールのシルクで包まれた絵画が
美術館へ送り返された。
それはコルベールのashes and snow 『手紙で綴られた小説』
のなかの、わたしが気に入っている話のひとつです。
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