Kyleさんはわたしと逆だ。
日本食と侍映画に憧れてNYからやって来た。
けれどKyleさんは、やって来て、お店をもって、住んでいる。
そこは大きく大きく違う。
憧れているだけではなくて
実際に生活してゆくのはタフでハードなこともあるだろう。
小さなキッチンで今パイが焼きあがる。
折りたたみ椅子をさっと出してくれたときに思い出す。
NYの古書店でカウンターから椅子を出して薦めてくれた人。
雨の日も嵐の日も
この小さなキッチンで大きなKyle さんが焼くお菓子は
おおらかで他者を受け入れ認める
小さなことを気にしない、やさしさに満ちているんだろうな。
2001.10